クリスタリウムという街

君は、クリスタリウムにやってきた水晶公の客人では？

ひとつ頼みがあるんだ、これを受け取ってくれ。

今渡したメモには、クリスタリウムの主要施設と、

そこで働く職員の名前が書いてある。

そこに書かれた人たちと話してきて、

君の率直な感想を聞かせてほしい。

なぁに、ちょっとしたアンケートだ。

おう、どうした姉ちゃん。

バリスティクス造兵館に何か用かい？

事情は分かった、ゆっくり見学していってくれや！

ここでは、罪喰いの侵攻から街を守るため、

防衛設備の保管やメンテナンスなんかをしているのさ。

こいつは、うちで作る兵器の中でも、とびっきりの自信作だ。

その名も……「魔装砲」！

どうだ、最高にイケてるだろう？

クリスタルに蓄積したエーテルをドカンとぶっぱなす、

抜群の破壊力を誇る魔法の大砲だ。

中級の罪喰いだって、こいつの前では木っ端みじんよ！

まあ、なかなか当たらないのが玉にキズなんだが……

そこは数でカバーすりゃあいい！

一発逆転、でっかい夢が詰まった大砲ってことよ！

おっと、あんまり引き留めちゃあいけねえな。

また気が向いたら、足を運んでくれや。

ああ、君がピットリッグが言っていた水晶公の客人だね。

ここはアマロ桟橋、見ての通り、

飛行獣アマロが発着するための桟橋さ。

君も知っているとは思うけど、

アマロは、物流の要となる重要な輸送手段さ。

キャリッジを曳かせたチョコボに比べれば、

運べる荷物の量に限りはあるけど、空を飛べるからね。

レイクランドの集落になら、ひとっ飛びさ。

何より、アマロの羽毛は手触りが最高なんだ！

ふふ、君もあの毛並みを味わいたかったら、

アマロポーターを利用してみるといいよ。

ここは、テメノスルカリー牧場だよ。

アマロの繁殖と飼育、調教を、全部この牧場で行ってるんだ。

僕たちズン族は、かつては遊牧民だったからね、

アマロの飼育は大得意なんだあ。

だから、働き手にも、ズン族がいっぱいいるんだよ。

ふふん、どう？　ためになったでしょ？

ヒトに説明できるよう、僕も頑張って勉強したんだ！

君も、クリスタリウムについて学ぶといいよ！

何か本をお探しですか？

なるほど……ピットリッグに言われて。

承知しました、そういうことでしたら、

この博物陳列館について、ご説明いたしましょう。

ここには、ノルヴラントの各地から集められた、

あらゆる書物が収められています。

学術書、美術書、歴史書……

こういった価値ある書物だけでなく、絵本や日記のような、

親しみやすい書物も数多く収められているんですよ。

ここの責任者は私ではなく、

司書長のモーレンさんという方なのですが、

もうお会いになられましたか？

それはよかった。

本の寄贈は、いつでも歓迎しておりますので、

もしよろしければ、本の収集にご協力くださいね。

話してきてくれたのか、お疲れさま。

どうだったか、君の感想を聞かせてくれるかな？

うむ、確かに「人」こそが街の要。

彼らの使命感があってこそ、

クリスタリウムがクリスタリウムたりえるのだ。

実は、私はクリスタリウム自治組織、

通称「セツルメント」の常任メンバーでね。

外から来た君の意見を、市政に反映したかったんだ。

あちこち駆け回らせてしまって悪かった。

だが貴重な意見を聞けたよ、ありがとう！